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アートコラム

文化財赤十字活動

画業に邁進しながら続けた文化保護活動

「文化財」…それは、悠久の時を越え、民族のアイデンティティを象徴するもの。
一度失われてしまえば元通りにすることが大変難しい貴重なものにもかかわらず、現在、災害や戦争などで破壊された多くのものは、そのまま放置されています。
それらの文化財の喪失を憂い、平山郁夫先生は「財団法人 文化財保護・芸術研究助成財団」を設立し「文化財赤十字活動」にも尽力されています。

■国境を越え「人類の文化遺産」を保存修復する

平山先生のライフワークともいえるシルクロードの旅。日本文化の源流を求め、1960年後半ごろから約30年の歳月をかけてシルクロード沿いの国や地域、遺跡などくまなく巡りました。 そしてその集大成ともいえる作品が、奈良県にある薬師寺の「玄奘三蔵院」壁画として美しく描かれています。

しかし、この旅で平山先生が見たものは美しい風景ばかりではありませんでした。
ユーラシア大陸の東西を結ぶ要衝・シルクロード付近に今なお多く残されている文化財。それらは内戦や戦争、自然災害などで崩壊の一途を辿り、略奪等によって失われつつあることを目の当たりにしました。
「自然の風物や我々の学んだ文物を、なんとか少しでも保存して、美しい姿で次の世代に残していきたい」と平山先生は強く願うようになりました。

しかし、この旅で平山先生が見たものは美しい風景ばかりではありませんでした。
ユーラシア大陸の東西を結ぶ要衝・シルクロード付近に今なお多く残されている文化財。それらは内戦や戦争、自然災害などで崩壊の一途を辿り、略奪等によって失われつつあることを目の当たりにしました。
「自然の風物や我々の学んだ文物を、なんとか少しでも保存して、美しい姿で次の世代に残していきたい」と平山先生は強く願うようになりました。

その願いが活動へと結びついたのは、1988年、中国での敦煌石窟保存活動でした。 当時、中国の文化財保護法によって海外からの保存協力を受けられない状況にあった敦煌石窟遺跡を「人類の文化遺産」であるとして、 平山先生は日本政府を通じて中国政府へ働きかけ、文化無償支援を実現。 その後もカンボジアのフンセン首相から依頼を受けて行われたアンコール遺跡保存修復や、中国の南京城壁保存・修復事業、アフガニスタンの バーミアン文化遺産保護活動など活発な活動を継続されています。

■海外美術館に収蔵された日本古美術品の保存修繕

平山先生の文化財保護活動は、在外日本古美術品保存修繕活動にも及んでいます。 この活動は、1991年にワシントンのフリーア美術館から寄せられた、収蔵している日本古美術品の修復協力要請が始まりでした。 平山先生は、以前ヨーロッパ留学をしたときに「日本の文化を、日本の美術をより良く見てもらえる努力が必要」だと実感していたため、その要請を快諾。 さまざまな問題を解決してフリーア美術館収蔵古美術の修復プロジェクトが実現しました。 その後も大英博物館をはじめ多くの博物館、美術館の作品の保存・修復活動を進めています。 活動の一環として、1998年と2001年には「国際文化交流サミット」を滋賀県や京都を舞台に、佐川美術館ほかの主催で開催。 アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの世界を代表する美術館の館長らが一堂に会し、在外日本美術品の保存・修復のための世界ネットワークの構築について議論されました。

■文化財を生み育み、所有し保存している人々の心を守り、伝える。

平山先生の文化財保護活動の特徴は、金銭援助だけでなく、現地で保存活動ができる人材の育成にあります。 文化財保護活動では地域の人とともに保存修繕作業を行い、その地で生きる人々が地域・民族の歴史や誇り、技術を再確認して、保存修繕活動の必要性を訴え、各地で人材を育成しています。 また、在外日本古美術品保存修繕活動においても、海外に日本古美術の保存修繕の技術者を派遣したり育てたりと次世代に続く活動を行っています。
それこそが、文化財を美しい姿で次世代に残すという平山先生の願いの表れではないでしょうか。