

日付:
2010年03月15日(月)
大正ロマンを代表する画家・竹久夢二(1884-1934)は、「夢二式美人」と称される独自の画風で一世を風靡する人気を得ました。本の挿絵や装幀、浴衣や日用雑貨のデザインを手がけるなどグラフィックデザイナーの先駆けとなり、詩、歌謡、童話など文芸の分野でも活躍し、中でも『宵待草』には曲が付けられ、大衆歌謡として全国的な愛唱歌となりました。しかし、その生涯は恋多く、やがて旅を重ねる漂泊の人生を歩むことになります。
《扇をもつ女》1932-33年 板、油彩 H57.0cm×W47.0cm
夢二は数え年48歳の時、父との死別や愛の破局、仕事の低迷などを断ち切るように欧米への旅を計画します。昭和6年(1931)5月、横浜港を出発し、アメリカのカリフォルニア州を中心に約1年3ヶ月間滞在した後、ドイツを拠点にヨーロッパ各地を1年間かけて回り、昭和8年(1933)9月に帰国しました。旅行中、世界的不況、夢二自身の金銭的苦境、加えて優れない体調と気疲れで、心身ともに疲れきった夢二は帰国して1年後にその生涯を終えます。
《着物の女》1931-33年 紙、鉛筆、淡彩 H14.0cm×W18.5cm
本展覧会は、この欧米旅行に焦点を当てた「幻の帰国展」であり、欧米滞在中に描いたスケッチを中心に、油彩・素描作品をまとめて紹介いたします。中でもウィーンで制作された油彩画「扇をもつ女」は日本初公開の作品となります。最後の恋人といわれた少女・ナズモの面影、各地で出会った青い目の女性たち、ヨーロッパへ向けて出港したタコマ号の船旅の寸景、名勝地・街の風情など、感傷的に映し出されています。これらは、夢二最後の旅、アメリカ・ヨーロッパ彷徨の記録でもあります。
《うぐいすや(伯林客中)》1932-33年 紙本着色 H78.6cm×W48.3cm
また、本展では夢二が手がけた雑誌や、西洋音楽の普及のための楽譜集『セノオ楽譜』の表紙の中から、欧米への憧れが背景となったデザインを展示するとともに、肉筆画の名品をあわせて展示し、現在もなお、多くの人々を惹きつける夢二の魅力を紹介いたします。
《女》1931-33年 紙、鉛筆、クレヨン H28.0cm×W22.0cm
◆主 催:財団法人 佐川美術館、NHK大津放送局、NHKプラネット近畿
◆企画協力: NHKプロモーション
◆後 援:滋賀県、滋賀県教育委員会、守山市、守山市教育委員会、読売新聞大阪本社、KBS京都、BBCびわ湖放送 、エフエム京都、エフエム滋賀、えふえむ草津
《モントレーの港町》1932年 紙、鉛筆、淡彩 H31.0cm×W45.0cm
<関連イベント>
-ワークショップ-
「日本画材を使ってオリジナル団扇を作ろう」
協 力:京都市立芸術大学 川嶋渉研究室、定家亜由子、株式会社吉祥
日 時:5月15日(土)、16日(日) A. 10時~12時、B. 14時~16時
日本画の画材を使って、無地の団扇に絵を描き、
オリジナルデザイン団扇の制作を行います。
詳しくはこちらをご覧ください。
-ロビーコンサート-
「竹久夢二によせて」
公演者:中村よし子 (ソプラノ) 、住友真里 (ピアノ) 、松田都 (語り)
日 時:5月22日(土) ①11:00~ ②14:00~
場 所:佐川美術館館内渡廊下
※申込不要・公演は無料(ただし入館料が必要です。)
※席数に限りがありますので、ご了承ください。
「ほたるコンサート」
17時以降入館無料!!
公演者:真依子(琴による「和」テイストポップス)
日 時:6月5日(土) 18:00~
場 所:樂吉左衞門館ロビー
※申込不要・入館料のみでお楽しみいただけます。
(17時以降は美術館入館無料)
※席数に限りがありますので、ご了承ください。