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展覧会

佐藤忠良 描いて捏ねて
終了

2016年04月16日(土)~2016年06月16日(木)

「土の手をやすめて」。これは、2004年から2006年にかけて全国で開催された、佐藤忠良氏の素描作品展のタイトルです。「土の手」というのは、粘土を捏ねて、ちぎっては貼り、そして削ることを繰り返しながら制作し続けてきた、佐藤氏ならではの制作表現です。ブロンズ像は、まず粘土で芯棒にモデリング(肉付け)をして塑像を作り、石膏で型取りして原型を作った後に、鋳造して完成となります。作品のベースとなる粘土での塑像づくりにかける時間は、1体につき何ヶ月も費やすというのが通例です。そんな制作の最中、佐藤氏のライフワークとなっていたのが、土の手を休め、スケッチに出かけることです。人物像を多く手がけた佐藤氏ですが、スケッチを描く時は人間だけではなく、花や樹々、果物、鳥や建物など多岐にわたって佐藤氏の心に触れたものすべてが題材となりました。素描作品からは、その対象の持つ特徴が丁寧に描かれているのが見てとれます。対象を捉える鋭い観察眼と、そして瞬時にスケッチブックに再構築する高い表現力が窺えます。

展示室風景

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の展示では、素描作品を中心に、ブロンズ像と併せてご紹介します。両作品を通して、佐藤氏の物事の深みを捉える洞察力を体感していただけると思います。是非作品の細部まで着目ください。

展示室風景②