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展覧会

佐藤忠良 いみありげな仕草
終了

2018年03月21日(水)~2018年07月08日(日)

佐藤忠良は、ブロンズで具象彫刻を創る芸術家として広く知られています。しかし、佐藤が創作した彫刻は全てにおいてリアルな造形ではなく、ある特定の部分に着目すると抽象化された表現であることがわかります。2018年度は、全4回の展覧会「いみありげな仕草」「名作からまなぶ」「おしゃべりしない眼」「風景でも建築でもない彫刻」を通して、なぜ佐藤が自身の彫刻作品に抽象性をもたせたのか、その疑問を明らかにします。

 

<女性らしい仕草>といえばどのような立ち振る舞いを思い浮かべますか?おそらく指先にまで神経がゆきとどいているような物腰やわらかなイメージを持たれるのではないでしょうか。佐藤の表現する女性像の腕や脚には動きがあり、そのバリエーションも豊富です。ところが手足の指先に注目すると、そのつくりは一見無造作のように感じられます。例えば《足なげる女》(1957)では太股の上に置かれた手は紙のように薄く、脚に張り付いて一体化しているように見えます。《若い裸》(1974)のように、手を一つの塊として捉えていることもあります。その抽象的なつくりがゆえに、一つの動作でも鑑賞者によって様々な解釈がなされています。

 

なぜ、佐藤は女性らしい仕草を強調できる部分をあえてぼかしたのでしょうか?

第1回目の本展では"女性像"に着目し、具象彫刻にみる抽象表現についてその深意を考察します。

 

 

足なげる女(1957)