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展覧会

佐藤忠良 ありふれた生活のなかで
開催中

2021年12月04日(土)~2022年04月03日(日)

美しいポーズや仕草といえば、皆さんは何が思い浮かぶでしょうか?腕を組んで座る姿、髪をかき分ける仕草など、その答えは人によって様々ですが、彫刻家・佐藤忠良は日常生活の中に垣間見える自然体の姿にその美しさを見出しました。

日常を切り取ったようなシーンの動きに、素朴で瑞々しい美しさがあると考えた佐藤。あぐらをかく、ボタンをとめるといった、何気ない動作の一つ一つが彼の創作にインスピレーションを与えたのです。佐藤の自然体なポーズの人物像で注目すべきは空間とバランスの作り方でしょう。例えば頭を抱えた時に腕が曲がることで生まれる隙間や、身体の片方に重心をかけた時の腰や足の位置といった、ポーズに応じて生み出される空間と、重心をかけた時の身体のバランスに着目しました。このように空間とバランスによって立体感を演出し、造形的にも見る人を惹きつけたのです。

また1970年代以降は、ジーパンやブレザーなど、当時のトレンドであったコスチュームをさりげなく着こなした作品を制作し、新たな彫刻表現の可能性を見出しました。ジーパンの硬い木綿といった衣服が持つ特有な素材感に注目し、実際に着用した時の生地の皺さえも緻密に計算したのです。あえて格好よく見せようとしないシンプルなポーズが更に独特な質感とシルエットを際立たせたのでしょう。女性の美しい姿にこだわり続けた佐藤にとって、着衣像は彼を代表する新しい彫刻スタイルとなったのです。

本展ではありふれた生活の中に潜む美をテーマに、佐藤が制作した人物像をご紹介します。モデルのポーズや、それによって生み出された空間などに注目しご鑑賞ください。


















《ボタン》1967年