美術館と一緒に一度は訪れてみたい滋賀のお寺~その② | 佐川美術館

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美術館と一緒に一度は訪れてみたい滋賀のお寺~その②

寒い日が続き、いよいよ冬本番となりました。

12月となり、これからお正月を迎えることになりますが、滋賀県にお住まいの方は初詣に「立木観音」へ行かれた方は多いのではないでしょうか?

大津市の南郷に位置する古寺で、立木観音の名で知られる安養寺は親しみをこめて「立木さん」と呼ばれています。

寺伝によると弘法大師空海が弘仁6年(815)にこの地を訪れた際に建立されたと伝えられ、空海が瀬田川の対岸に光り輝く霊木を見つけたところ、川の流れが速く、渡れないでいると、白鹿が現れ、空海を背に乗せて対岸まで導いてくれました。白鹿はたちまち観音菩薩に姿を変えて、虚空に消え去ったといいます。

この奇跡に感動した空海は霊木に観音菩薩の姿を刻んで、それを本尊として寺を建てたと伝えられています。

この時、空海が厄年の42歳であったとされることから、厄除けの霊験あらたかな観音菩薩として信仰されるようになりました。

安養寺の風景①

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瀬田川河畔から約800段もの急な石段が本堂まで続き、石段を上りきると、本堂があり、本堂からなおも石段を登ると、鐘楼があります。

ここで鐘を1回撞くと、厄を落とすことができます。

安養寺の風景②

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「牡丹の花」で有名な奈良県の長谷寺の本尊、十一面観音像も近江高島郡(現在の滋賀県高島市)から流れてきた楠で造られた霊験あらたかな仏像として信仰を集めてきました。琵琶湖と霊木との関係には非常に興味深いものがあります。

現在、美術館では「人の形、仏の姿」をテーマに平山郁夫作品の中でも、人物や仏像を描いた作品が展示されています。

古寺を訪ねた後は、是非美術館にご来館いただき、平山郁夫が描いた仏像の作品にもご覧ください。