野菜とかけてルドルフ2世と解く。そのこころは? | 佐川美術館

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野菜とかけてルドルフ2世と解く。そのこころは?

今回は本展覧会の目玉作品の一つ、ジュゼッペ・アルチンボルドによる《ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像》(1591年)を紹介します。

(※写真右側にある作品です。)

 

ぜひ見比べてみて下さい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左側にある《ハプスブルク家、神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の肖像》(ハンス・フォン・アーヘン作のコピー、1600年頃)と同一人物を描いたものなのですが、随分印象が異なりますよね!アルチンボルドの作品はカラフルで、よく見るとたくさんの植物、野菜、果物で構成されていることがわかります。さて、みなさん何種類あるか数えられますか?なんと~!全部で約50種類あります!!野菜や果物で国の最高権威者を描いてしまうとは、そんなこと許されたのだろうか?と思いますが、ルドルフ2世は喜んだと言われています。では何故、アルチンボルドはこのような珍奇な肖像画を描いたのでしょうか。

 

 

 

歴史を紐解くと見えてくるもの

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品タイトルにある「ウェルトゥムヌス」とは、エトルリア(紀元前8世紀から紀元前1世紀ごろにイタリア半島中部にあった国)の農作物や果物、四季を司る神です。森羅万象全ての生命の主である「ウェルトゥムヌス」として世界を束ねる偉大なる皇帝、ルドルフ2世を讃えたのではと考えられています。また、当時は野菜や果物は大変高価な品物であったことから、アルチンボルドは大量にそれらを用いて描き上げることで、ルドルフ2世の圧倒的な裕福さを象徴したのでしょう。ルドルフ2世が君臨した時代は、絵画や彫刻といった芸術作品をはじめ、珍奇な自然物や科学機器などを収集して、プライベートな陳列室(驚異の部屋)をつくることが流行していました。ルドルフ2世もそれらを収集し独自の「驚異の部屋」をつくったことで知られています。この《ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像》は、そんな当時の時代背景と皇帝の人柄を見事に反映した作品と言えます。

 

 

さて、私たちもアルチンボルトみたいに不可思議な作品をつくるチャンスがあります♪

4/14(土)、15(日)に【野菜スタンプでオモシロアートを描こう】ワークショップを渡り廊下にて開催します。午前10時~午後3時の間はいつでも自由に参加していただけますので、ご家族やご友人と一緒に遊びに来てくださいね!皆さまのお越しをお待ちしております。

 

※参加費無料(但し入館料は必要)、材料が無くなり次第受付を終了いたします。 

 

 

不思議な顔をつくろう!