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展覧会

平山郁夫 仏教東漸
終了

2015年04月03日(金)~2015年07月26日(日)

平山郁夫作品による4月からの展示のテーマは「仏教東漸」。
「仏教東漸」とは、その字が示す通り仏教の東方への伝播を意味する言葉です。紀元前5世紀頃に古代インドで興った仏教は、紀元前3世紀頃にアショーカ王の庇護のもとインド周辺の国々に広がります。この頃の仏教は、釈迦が説いた教えを口承によって伝えるもので、その広がりは緩慢でしたが、その後の経典や仏像の出現やクシャナ朝のタリム盆地への進出がきっかけとなり、仏教の東方への伝播は急速に進みます。文献上では紀元前後には中国への初伝が確認でき、2世紀頃には仏典の漢訳が行われていたと考えられています。そして、仏典の漢訳および研究が進むにつれて中国で成熟した仏教は、漢字文化圏である朝鮮半島を経て6世紀半ばに日本へともたらされ、およそ1000年の長きに亘る年月をかけてインドから遠く離れた日本へと仏教の東漸が完了します。

今回の展示では、平山郁夫氏が玄奘三蔵の足跡を追体験してシルクロード各地を巡り描いてきた仏教関連の作品を中心に展観します。インドから中国を経て日本に伝来した仏教に深い関心を寄せ、生涯のテーマとした平山氏の作品の数々をご覧ください。