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展覧会

平山郁夫 文明の十字路
終了

2015年07月28日(火)~2015年12月13日(日)

2015年度第2期の平山郁夫作品展示のテーマは「文明の十字路」。

アジアとヨーロッパを結ぶ広大な交易路であったシルクロードは、いくつもの道が枝分かれして、その先々で文明・文化の花を咲かせました。その中で異なった文明同士が遭遇して新たな文明を生み出した地域のことを「文明の十字路」と呼ぶことがあり、中央アジアや西アジアにはそのような場所が数多く存在しています。

 

展示風景

 

 

文明の十字路である地域に残された数ある世界遺産の内、今回平山郁夫氏が描いた《レギスタン広場のモスク サマルカンド》(1993年、紙本彩色)についてご紹介します。

本作品は、中央アジア・ウズベキスタンの古都サマルカンドにある世界遺産が描かれており、様々な文化が流入した正に文明の十字路と呼ぶに相応しいところです。

 

展示風景(左から2番目が《レギスタン広場のモスク サマルカンド ウズベキスタン》)

 

サマルカンドは、ステップ気候から地中海性気候に移行する気候区で、移行部特有の抜けるような青空とモスクの色から「青の都」と呼ばれています。その中心地には代表的な3棟のマドラサ(神学校)が建つレギスタン広場があり、シルクロードのオアシス都市として栄えた繁栄の様を今に伝えています。

本図に描かれているのは、15世紀前半のティムール朝第4代ウルグ・ベクによって1417年に建設が開始され、1420年に完成したマドラサです。色鮮やかな外壁のタイルと天を支えるようにして屹立するミナレットが印象的です。