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展覧会

ボストン美術館 ヴェネツィア展 魅惑の都市の500年
終了

2016年06月25日(土)~2016年08月28日(日)

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ルネサンスの巨匠・ティツィアーノから印象派の画家・モネ、

そして現代に至るまでのヴェネツィアの美を一堂に公開

 

 

「アドリア海の女王」と讃えられる水の都・ヴェネツィア。町を分断するようにS字型に流れる大運河(カナル・グランデ)、そこを行き交うゴンドラの列、そして幻想的で華やかなカーニヴァルや壮麗な宮殿、教会堂など、世界屈指の観光都市として知られています。

ラグーナと呼ばれる干潟の上に築かれたこの町は、周囲をアドリア海に面し、中世以降、オリエント世界と西洋を結ぶ東西貿易の一大拠点として栄えます。また、16世紀になるとヴェネツィア・ルネサンスが花開き、政治・経済とともに芸術文化における中心地でもありました。

本展では、町全体が一つの芸術であり、数世紀にわたり多くの芸術家を生み出した文化都市でもあるヴェネツィアを紹介します。ボストン美術館が所蔵するヴェネツィア美術の名品から、ルネサンスの巨匠・ティツィアーノやヴェロネーゼの作品、モネを代表とする19世紀の印象派の画家たち、そして現代に至るまでの500年に及ぶヴェネツィアの美をご堪能いただけます。

 

 

 

 

1章 比類なき都市

ヴェネツィアの町は、迷路のように入り組んだ水路とそこにかかる無数の橋で結ばれ、世界で類を見ないほど特異な地形となっています。本章では、ユニークな地形によって形成された町並みを18世紀に流行した都市景観画(ヴェドゥータ)などで紹介するとともに、そこに住む人々を描いた肖像画により紹介します。

 

ヤコポ・デ・バルバリ《ヴェネツィア鳥瞰図》1500年_Helen and Alice Colburn Fund 55.984 

 

 

2章 描かれた祈り

キリスト教信仰と礼拝を行う教会堂は、ヴェネツィアに暮らす人々の生活の中に深く浸透していました。本章では、ルネサンス期に活躍したヴェネツィア派のティツィアーノの作品を中心に宗教美術を紹介。描かれた聖堂、聖人と預言者、イエス・キリストの物語を通して、その地理的特性や習慣によって育まれてきた、ヴェネツィア独自の美意識をたどります。

 

 

 

 

3章 ヴェネツィア様式

中世以降、ヴェネツィアは世界で最も裕福な都市の一つでした。様々な国との交易により、独特の審美眼を培ったこの町では、豪華な室内装飾、贅沢な絹織物やレース、優美なヴェネツィア・ガラスが生み出されます。本章では、ヴェネツィアの人々が好んだ煌びやかで官能的な生活、特に「ヴェネツィア様式」とも言われる独自の美学を紹介します。

 

パオロ・ヴェロネーゼ《ユピテルと裸婦》1560年_Gift of Mrs. Edward Jacson Holmes 60.125 

 

 

4章 芸術家たちを魅了する町

美の世界遺産・ヴェネツィアは、芸術家にとって憧れの都市でした。19世紀以降、その美しい景観を求めて、アメリカやヨーロッパ各国から多くの芸術家たちがこの地を訪れます。本章では、ヴェネツィアに魅了されたモネやブーダンをはじめ、日本の風景画家の第一人者である吉田博など、異邦人たちが見出したヴェネツィアの魅力に追っていきます。

 

クロード・モネ《ヴェネツィアの大運河》1908年_Bequest of Alexander Cochrane 19.171

 

 

 

 

ボストンとヴェネツィアの関係について

ボストン美術館が設立された19世紀、ボストンには多くのイタリア美術愛好家がいました。中でもボストンの銀行家、ダニエル・サージェント・カーティスがヴェネツィアのバルバロ邸を買い取り、荒廃していた邸内を修復すると、親戚である画家のサージェントやホイッスラーといった英米の芸術家たちが集うサロンとなりました。モネがヴェネツィアを訪れたときに、最初に滞在したのもこのバルバロ邸でした。

同じくボストンの資産家であったイザベラ・スチュワート・ガードナー夫人もバルバロ邸に滞在し、自らもヴェネツィア様式に憧れ、15世紀のヴェネツィア建築様式を模した建物をボストンの町に建設します。室内には、ヴェネツィア・ルネサンス期の巨匠・ティツィアーノの作品を飾るなど、イタリア美術のコレクションを充実させ、のちにイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館が設立されます。

このように、ボストンの人々によるヴェネツィアに対する並々ならぬ思いと情熱が、今日までのボストンとヴェネツィアの関係を築き上げたと言え、ボストン美術館を筆頭に多くのヴェネツィア美術の名品がボストンの美術館でコレクションされていったのです。

 

 

■ ご注意

展覧会場内は作品保護のため、室内温度を低く設定しております。

カーディガン等の羽織るものをご用意ください。

ご理解・ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

関連イベント ミュージアムカーニヴァル

■記念講演会

テーマ : 「ヴェネツィアの魅力」

講 師 : 宮下規久朗氏 (神戸大学大学院人文学研究科 教授)

日 時 : 7月10日(日) 14:00~

会 場 : 佐川美術館

 

■ワークショップ

「ヴェネツィアンマスクをつくろう」

日 時 : 8月6日(土) ①10:30~、②13:30~

定 員 : 各20名

対 象 : 5歳~中学生まで

料 金 : 300円

 

「ロゼットブローチをつくろう」

日 時 : 8月7日(日) ①10:30~、②13:30~

定 員 : 各20名

対 象 : 小学生~中学生まで

料 金 : 300円

 

■ナイトミュージアム&トワイライトコンサート

第一夜 水辺に響くカンツォーネの歌声

出 演 : 滝川千春&東野亜弥子 〈ピアノ〉尾崎克典

日 時 : 7月17日(日) 18:00~

場 所 : 屋外アートステージ

 

第二夜 弦楽四重奏、魅惑の仮面舞踏会への招待状

出 演 : 梶栗麻紀カルテット

日 時 : 8月20日(土) 17:30~

場 所 : 屋外アートステージ

 

※関連イベントの詳細につきましては、ホームページの「イベント」でご確認ください。

 

 

 


〔開催概要〕

開館時間:午前 9 時 30 分 ~ 午後 5 時(入館は午後 4 時 30 分まで)
休  館  日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
入  館  料:一般1,000円/高大生600円/中学生以下は無料 ※ただし保護者の同伴が必要
      団体(20名様以上)は200円引き、専門学校・専修学校は大学に準じる。
      障害者手帳をお持ちの方(手帳をご提示ください)付添者(1 名のみ)無料

主   催:公益財団法人佐川美術館、ボストン美術館、

      NHK大津放送局、NHKプラネット近畿、京都新聞

後   援:アメリカ大使館、イタリア大使館、

      滋賀県、滋賀県教育委員会、守山市、守山市教育委員会、FM OSAKA

協   賛:損保ジャパン日本興亜、日本写真印刷、

企   画:NHKプロモーション

協   力:SGホールディングス株式会社、佐川急便株式会社、佐川印刷株式会社