桃山時代に樂茶碗を造り出した初代長次郎以来、400年余りの歴史と伝統を継ぐ樂家15代当主として、伝統に立脚しながらそこに安住することなく、常に斬新な造形美の世界を表現し続けている樂吉左衞門氏。
樂茶碗の基本的な造形要素である、箆削りによる造形と手捏ねによる造形に留まることなく、近年、轆轤で制作することにより、井戸形の造形が加わりました。
本展では、激しい造形、面取り箆による造形、動きの強い造形、沓形にゆがめられた造形、手なりの造形、優しい造形、リズミカルな造形にみる当代吉左衞門作品のさまざまな造形を紹介いたします。水面下の非日常空間に身を委ね、吉左衞門の造形の世界をお楽しみください。

