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展覧会

平山郁夫 文化財赤十字
終了

2016年04月16日(土)~2016年08月28日(日)

2016年度第1期の平山郁夫作品展示のテーマは「文化財赤十字」。

 

日本画家・平山郁夫氏の業績は、創作活動における美術振興とともに、東京藝術大学学長を歴任するなど後進の指導・教育に尽力されたことは言うまでもなく、世界各地で危機に瀕している貴重な文化遺産の保護活動に、生涯をかけて取り組まれたことを抜きに語ることはできません。

平山氏は、シルクロードの取材において目にしてきた戦争や盗難・盗掘による人為的被害や自然荒廃によって失われ行く文化財を救済すべく、「文化財赤十字」構想を提唱します。

 

「保存修復ということは、物をただ直せばすむということではありません。現地の人々に、自らの歴史と文化への誇りを取り戻してもらう心の問題も大切です。修復事業を通じて進んだ技術を身につけ、生活を豊かにしていくことも可能になります。これが、私が現場を踏んで発想し、長年にわたって提唱し具体的な活動を展開している「文化財赤十字」の構想です。」【(『平山郁夫 作品集』平山郁夫美術館、2013年)より一部抜粋】

 

この構想をもとに、中国の敦煌莫高窟や南京城壁、カンボジアのアンコール遺跡の保存修復活動をはじめ、北朝鮮の高句麗古墳群の世界遺産登録推進、中東・南アジアにおける流出文化財の保護を実現し、世界的に高い評価を得ています。

今回の展示では、平山氏が提唱し実践してきた「文化財赤十字」に関わる作品を紹介し、氏の業績を改めて顕彰します。