チェコを思う気持ちはミュシャだけじゃない!ミュシャと音楽家について
今年の夏は、雨模様が長く続き、夏真っ盛りといった天気が少なかったのですが、この週末は快晴でしたね。
建物も青空が映えます。
ヨシとヒメガマの現在はこんな感じです。
茶室から見る光景もまだまだ植物の緑が映えています。
ご来館の参考にどうぞ。
さて、開催中のアルフォンス・ミュシャ展ですが、今日はミュシャと音楽についてお話しようと思います。
チェコ出身のミュシャ。パリにて脚光を浴び、華々しい生活を送りましたが、愛国心の強かった彼は1910年に祖国へ戻ります。
彼はその後、自分のルーツであるスラヴ民族の苦難と栄光の歴史を描いた大作《スラヴ叙事詩》を完成させました。
この《スラヴ叙事詩》、今年の春に東京で展覧会がありましたね。
実際にご覧になられた方、名前を耳にしたことある方も多いはず。
では、ミュシャがあの大作を描くきっかけになったのは、ある作曲家の曲を聴いたから、というのはみなさんご存知でしたか?
その作曲家とは、スメタナのこと。中学校の音楽で「モルダウ」という曲、習いませんでしたか?音を聞けば、知っている人もたくさんいらっしゃるでしょう。
彼はチェコ出身の作曲家で、「モルダウ」とは、チェコを流れる最長の川・ヴルタヴァ川の別名なんですね。
祖国チェコのためにスメタナが作ったこの曲を聴いて感化されたミュシャは、《スラヴ叙事詩》を描くことを決意したと言われています。
ミュシャと同時期に活躍したチェコ出身の作曲家はスメタナだけではありません。
世界的に有名なドヴォルザーク、チェコの民族音楽を取り入れたヤナーチェクもまた愛国心の強い作曲家でした。
ドヴォルザークの「新世界より」は、新世界・アメリカからチェコのことを思って作った曲です。
ヤナーチェクとミュシャは、幼少時代に時を同じくして聖歌隊に所属していたこともあり、生涯の友として親交を深めました。
そんな、チェコが誇る音楽家3人を、ミュシャは《チェコの音楽の殿堂》という1枚の絵に描いています。
展示室で見ることができますので、ご覧くださいね。