名刀は語る 美しき鑑賞の歴史
2019年07月10日(水)~2019年09月23日(月)
公益財団法人佐川美術館 では、夏季企画展として「名刀は語る 美しき鑑賞の歴史」を開催します。
日本刀は、古来災いや邪気を払う霊器として神聖視され、武士にとっては、武器であるとともに精神的支柱であり、日本人の精神文化に大きな影響を与えてきました。また、日本刀は、優美な姿、千変万化する刃文など、その見所は多彩であり、日本を代表する美術品として、国内を問わず世界でも高い評価を得ています。
名刀が美しい輝きを放っているのは、鍛刀されてから今日に至るまでの数百年の間、絶えず日本刀を慈しみ、守り、そして、磨き続けてきた人々がいたからです。この間、名刀は多くの人の手に渡り、それにふさわしい多くの物語が生まれました。名刀を持つことで、それに相応しい己になるべく自己を「磨く」人々がいたのです。
本展では、日本有数の刀剣コレクションを誇る佐野美術館の収蔵品より、平安時代から江戸時代にかけての国宝・重要文化財を含む太刀や刀をはじめ、鐔・拵といった刀装具など名品の数々を展示します。約千年にわたる日本刀の歴史を通じて、日本人が培ってきた美意識や文化を是非ご覧ください。
みどころ
戦国ロマンをかきたてる名品を展示
本展では、戦国時代ゆかりの名品を展示します。その中でも目玉として、織田信長が所持し、長篠の戦いで武功を立てた長篠城主・奥平信昌に下賜された《太刀 銘 一》をはじめ、豊臣秀吉の遺物として藤堂高虎が拝領し、その後徳川将軍家に伝来した《刀 金象嵌銘 備前国兼光/本阿弥(花押) (名物 大兼光)》、徳川四天王の一人で名将の誉れ高い本多忠勝が愛用した名槍《大笹穂槍 銘 藤原正真作 (号 蜻蛉切)》など、戦国ロマンに想いを馳せること間違いなしの名品を展示します。
刀剣を彩る刀装具も必見
日本刀の魅力は、刀身の優美な姿や多彩な表情を持つ刃文はもちろんのこと、刀を収める拵(刀装具)の存在も見逃すことができません。超絶技巧を尽くした職人の業や佩刀者の好みが反映された刀装具は、その豊かなデザイン性によって私たちの目を楽しませてくれます。
茶席の様子を表現した《茶席図鐔 銘 西陣住人/埋忠重長》に見る遊び心や、《雪輪傘透鐔》の高いデザイン性、あるいは日本の伝統的な草花や古典・物語に求めたモチーフなど、刀装具の魅力にも是非注目してご覧ください。
出品作品の一覧はこちら(作品目録)
関連イベント情報
記念講演会
講師 : 渡邉妙子氏(佐野美術館・理事長)
日時 : 8月18日(日)14:00~ (開場13:00)
定員 : 100名(先着) 参加費 : 無料(※但し入館料は必要)
会場 : 佐川美術館樂吉左衞門館ロビー
日本随一の刀剣コレクションを有する佐野美術館
本展に出品される名品の数々は、静岡県三島市にある佐野美術館のコレクションになります。佐野美術館は、創立者である佐野隆一氏(1889-1977)の収集品が基礎となっており、日本・東洋の優れた美術品約2500件を収蔵しています。展覧会を活動の中心にしており、刀剣・人形・絵画・絵本など多彩な内容で、年に7〜8回開催しています。常設展示室には収蔵品を展示しており、年4回の入れ替えがあります。
刀剣乱舞-ONLINE-コラボレーション企画
近年刀剣ブームの火付け役となった「刀剣乱舞-ONLINE-」。本展に出品される《大笹穂槍 (号 蜻蛉切)》の公開を記念したコラボ企画として、〈刀剣男士「蜻蛉切」〉の等身大パネルの設置やグッズを販売します。等身大パネルと一緒に記念の撮影もできますので、この機会をお見逃しなく!
刀剣男士「蜻蛉切」等身大パネル展示期間
■通常ver. 7月10日(水)~ 8月18日(日)
■戦闘ver. 8月20日(火)~ 9月23日(月・祝)
「刀剣乱舞-ONLINE-」とは、DMMGAMESとニトロプラスが手がけるPCブラウザ&スマートフォン向け刀剣育成シミュレーションゲームです。本ゲームには、名だたる刀剣が戦士へと姿を変えた"刀剣男士"と呼ばれるキャラクターたちが登場。個性豊かな刀剣男士を収集・強化・育成、部隊を結成し、さまざまな合戦場を攻略していきます。本作の流行により若い女性を中心に刀剣愛好家の層は広がり、「刀剣男士」のモチーフと全国各地に足を運ぶ人々が増えています。
また、本ゲームと刀剣を所蔵する寺社や博物館・美術館などが協働することで、文化財を活用した観光振興・地域活性化、これまであまり展示されることのなかった品が展示される運びとなるなど、その影響は幅広い分野に波及しています。
[主催]公益財団法人佐川美術館、NHK大津放送局、NHKプラネット近畿
[後援]滋賀県、滋賀県教育委員会、守山市、守山市教育委員会
[特別協力]公益財団法人佐野美術館
[制作協力]NHKプロモーション
[協力]SGホールディングス株式会社、佐川急便株式会社、佐川印刷株式会社