佐藤忠良
主要所蔵作品
身近な人物たちをモデルにした、生命力みなぎる作風で知られる具象彫刻家・佐藤忠良の作品は、躍動感あふれる肉付けと、堅実なフォルムに特徴があります。
作品の主なモチーフには「頭像」「女性像」「子どもの像」などがあります。
佐藤がその評価をゆるぎないものにしたのは、シベリア抑留から帰還した直後、1952年に発表した「群馬の人」でした。日本人固有の相貌を表現し人物の生き様・内面の美しさを追求したこの作品は、明治期に西洋からやって来た近代美術の手法を、初めて日本人が日本人の心でもって解釈し創りあげたものとして、多くの批評家の賛辞を集めました。
そして1970年代には「帽子」シリーズに代表される、現代感覚あふれる新境地を開拓。初期から近作まで、作風は徐々に変貌を遂げているものの、根底に流れる熱いヒューマニズムは変わりません。
全国各地の公共空間に設置された野外彫刻の多さからも、佐藤の作品への高い支持がうかがえます。