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展覧会

十五代吉左衞門・樂直入展 -樂茶碗とフランスRAKU茶碗-
終了

2020年04月04日(土)~2020年08月30日(日)

樂焼は桃山時代、茶の湯の大成者・千利休の理想とする茶碗を初代長次郎が形にしたことにはじまり、直入(じきにゅう))は樂家十五代の吉左衞門です。轆轤(ろくろ))を用いず手捏(てづく)ねで成形し、箆(へら)で削り上げて形を造り、屋内の小規模な窯で焼き上げられてきた樂焼の技法は、他に類のない独特なものです。450年一子相伝で伝わってきた樂焼は、各代が長次郎を意識しながらも、自らの表現を追求し、伝統と創造を極めてきました。特に直入は、従来の赤樂茶碗、黒樂茶碗の他に焼貫(やきぬき)焼成によるこれまでにない焼貫黒樂茶碗、焼貫茶入、焼貫水指を制作、数々の独特な世界を築いてきました。

 

焼貫黒樂茶碗 銘望湖樓酔 2003年

 

また、直入は2007年以降、4年間にわたり毎夏、フランス南西部コレーズ地方ルビニャック村に滞在し、茶碗、花入、水指など多くの作品を制作しました。フランス・リモージュの白土、ルビニャック村で掘り出した赤土、スペインの黒土や、暖炉のクヌギ灰、フランスの鉱石、フランスの古い銀貨から作った釉薬など、楽しい冒険に満ちています。京都・樂家で焼かれる樂焼とは異なる土や釉薬、窯によって創りだされたフランスRAKUは、楽しく力強い魅力が感じられます。

 

フランスRAKU茶碗 2010年

 

本展では、歴史と伝統を継ぐ樂家十五代吉左衞門として、伝統に立脚しながらそこに安住することなく、常に斬新な造形美の世界を表現し続けている直入の京都・樂家で焼かれた樂茶碗とフランス・ルビニャックで焼かれたフランスRAKU茶碗の数々を展観します。

 

※  2019年7月8日に代を譲り十五代吉左衞門は隠居して樂直入に改名しました