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展覧会

平山郁夫 玄奘三蔵のたどりし道

2021年04月01日(木)~2021年09月05日(日)

1945年に15歳の若さで被爆した平山郁夫。後年、その後遺症に悩まされますが、ある一人の僧侶と自らを重ね合わせ、創作活動を続けました。その僧侶こそ、天竺(インド)に仏法の真理を探究すべく、往復18年もの歳月を費やし、艱難辛苦の旅を続けた玄奘三蔵(602664)でした。この出会いにより、平山は玄奘の旅路を追体験することになり、その画業に欠かせない存在となったのです。

 

昭和三十四年の院展に出品した「仏教伝来」は唐僧玄奘三蔵が、長安の都から国禁を犯して西域の流沙を渡り、パミール高原を超えてインドまでの旅をした忠実に材をとっている。彼は十八年後に再び難路を越えて帰国するが、その旅の様子は『大唐西域記』に克明に記録されている。この驚くべき求法精神はどこから出たものか、また、その活力はどのようにして生まれたかについて興味があった。


『平山郁夫全集 第5巻 シルクロードⅠ』 1992 講談社

 

画業の画期となった作品《仏教伝来》(1959年 佐久市立近代美術館蔵)は、玄奘の求法の旅に感銘を受けて制作したもので、平山はその後も玄奘の旅の軌跡を追体験し、シルクロードに取材した数々の作品を発表します。

その集大成とも言える作品を新たな世紀の幕開けとなる20001231日の大晦日に薬師寺の玄奘三蔵院に奉納しました。堂内を彩る全7場面の大画面は《大唐西域壁画》と名付けられ、高さ2.2ⅿ、幅は全長49ⅿに及びます。玄奘の故国・中国の都、長安から仏教を学んだインドのナーランダ寺院までの旅路がここに描かれています。

本展では平山が追い求めた玄奘三蔵の辿りし道をテーマに、その史跡や名勝を中心に展観し、薬師寺に奉納された《大唐西域壁画》を50号サイズに描きなおした《大唐西域画》全場面をご紹介します。