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展覧会

佐藤忠良 コミッション・ワークの軌跡

2021年09月14日(火)~2021年11月28日(日)

佐藤忠良の仕事には、モチーフを選び、自由に構図を決め制作する自主制作の他に、依頼を受けて制作する受注制作(コミッション・ワーク)があります。佐藤はこのコミッション・ワークこそが、社会と彫刻家を繋ぐ一つの接点だと考えました。

彼のコミッション・ワークを代表するものとして、まず全国各地に設置された野外彫刻が挙げられます。自治体や企業など、様々なクライアントからモニュメントや銅像の制作を依頼されました。佐藤は仕事を引き受けると、まず仕上がりのイメージを描いたデッサンを依頼主に見せ、希望や注文を取り入れた後に、彫刻制作にとりかかりました。その仕事ぶりは芸術家というよりも、クライアントに寄り添う職人に近いものといえるでしょう。設置場所と作品テーマを関連付け、空間的要素を計算しながらポーズを考えるなど、周りの風景を取り込むように、その場所の環境や景観と調和する作品を制作しました。またメダルやトロフィーといった記念品も佐藤のコミッション・ワークとして欠かせない作品です。芸術作品として展覧会などの表舞台に出されること
はありませんが、こうした作品の一つ一つが彫刻家として生計をたてた、社会とのかかわりを示す証といえるかもしれません。佐藤は受注制作を通して、クライアントの要望に応えつつも、作家としてのこだわりは譲らない、双方納得する作品を制作しながら彫刻家としての技を磨き続けたのです。

本展では佐藤が依頼を受けて手がけた女性像やレリーフなどのコミッション・ワークを中心に、佐藤の彫刻家としての画業をご紹介します。














《おおきなカブ レリーフ》 2003年

絵本『おおきなかぶ』の挿絵も手がけた佐藤。
小児科医療総合病院から制作を依頼された作品です。