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展覧会

デジタルとアナログで創造する 藤井フミヤ展 多様な想像新世界 THE DIVERSITY
終了

2022年04月09日(土)~2022年06月12日(日)

※本展の料金で、「バンクシー&ストリートアーティスト展」「常設展」もご覧いただけますので、ご予約の際はご注意ください。


藤井フミヤ 2021年 ©FFM2022

















歌手として長年活躍しながら、画家としての一面を持つ藤井フミヤ。1993 年に自身初となるCGアートの個展を開催し、その後国内外で精力的に作品を発表しましたが、アート活動10 周年を迎えた2003 年に画家としての活動を休止しました。16 年に亘る長い沈黙を破り、東京で開催した2019 年の展覧会で大盛況を収め、再び画家として脚光を浴びます。本展では新作を含め、独自の表現で描いた女性像を中心に、油彩・水彩・ボールペン画、またシール・針金を使った作品など約100 点を公開します。
時に甘美なエロティシズムが香り、時にファンタジックな夢想を喚起させる藤井フミヤの世界をご堪能ください。



 多彩な画材と手法で切り開くファンタジックな世界 


子どもの頃から絵を描くことが好きだった藤井フミヤは、ミュージシャンとして数多くのヒット作を生み出す一方、仕事の合間にコツコツと作品を制作してきました。創作の原点になったのは、1990 年代当時最先端だったコンピュータとの出会いでした。デジタルで絵を描く楽しさにのめり込み、本格的な画家としての活動は、このデジタル技術を駆使したCG 作品の制作からでした。
2003 年にはカッターナイフを用いた職人技ともいえる貼り絵や切り絵を制作。近年特に注目されているのは、絵筆やペンを用いて制作された装飾的なアナログ作品です。


《FULL MOON》2002年 紙 65×47cm ©FFM2022

















特に極細のボールペンを用いたペン画は、《ボッティチェリへのオマージュ「Venus and Mars」の模写》に
見られるように、円を描くようにペン先をぐるぐると動かしながら描く独自の手法が取られています。また、文具店で売られているファンシーシールをモザイク画のように組み合わせた作品や、わざと錆びさせた針金をつなぎ合わせて制作した立体的な女性像の作品など、表現方法は多岐に渡り、常に新しいアイデアを探し求める好奇心の強さがうかがい知れます。

《ボッティチェリへのオマージュ「Venus and Mars」 の模写》2019 年 ボールペン、紙 70×179 cm ©FFM2022












 甘美に描かれた女性像 

作品は女性のモチーフが圧倒的に多く見られ、藤井フミヤが描く女性像は日本における美人画や、クリムトやシーレなどの西洋絵画の影響を受け、多彩な手法で表現されています。女性らしいしなやかな身体の曲線や四肢の表現へのこだわりから、顔を描かず後ろ姿やあえて目を隠す姿など、作品からは甘美な女性像への一方ならぬ思いが伝わってきます。まさに現代の美人画といっても過言ではありません。女性を丁寧に描こうとする緻密な装飾表現も必見ですので、ぜひ展示室でご覧ください。

《好奇心》2021 年 水彩、紙 69.5×53 cm ©FFM2022