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展覧会

平山郁夫 日本文化の源流
開催中

2022年11月08日(火)~2023年03月31日(金)

平山郁夫は、自身の出世作《仏教伝来》(1959 年 佐久市立近代美術館蔵)を契機として、仏教を題材とした作品を描いてきました。
東京美術学校(現・東京藝術大学)入学前に叔父の彫金家・清水南山の薫陶を受け、日本文化を大切にし、古典を学ぶことを信条としていた平山にとって、日本文化の源流といえる仏教が伝来した道は、まさに自身が進むべき画道そのものでした。学生時代から足しげく仏教興隆の地・奈良を訪れ、薬師寺や法隆寺などの古刹に伝わる仏像や仏画から大陸の文化を確かに感じた平山は《仏教伝来》の発表以降、見えない力に導かれるように日本文化の源流たる仏教伝来の道・シルクロードへの旅を続けます。


仏教伝来の道を追うのは、日本文化の源流を探す旅でもあります。仏教が運んできた文化によって、日本は国家としての体制を確立していったのです。

『平山郁夫 絹の道から大和へ ―私の仕事と人生―』平山郁夫(講談社、1992 年)


1968 年以降、幾度となくシルクロード各地を巡った平山は、中国・敦煌において日本文化の源流の一端に触れます。
1979 年に初めて敦煌莫高窟を訪れて以来、その迫力に圧倒され続けた平山は、1987 年にこの地で国際会議が開かれたのを機に、六度目の訪問を果たす中、第 220 窟の壁面に描かれた観音菩薩像の姿に目を奪われます。そこには、かつて法隆寺金堂壁画の再現模写事業に参加した際に見知った、金堂壁画第 6 号壁の菩薩像に酷似した仏の姿が描かれていたのです。
第 220 窟には、描かれた年代(642 年)が分かる銘文が記されており、法隆寺金堂壁画が描かれた年代(7 世紀半~8 世紀)との整合性も相俟って、日本文化の源流に出会えた興奮を語っています。

本展では、敦煌莫高窟をはじめ、旅の中で日本文化の源流に触れてきた平山の足跡を辿り、そこで出会った文化財や史跡を描いた作品を中心にご紹介します。