樂直入展 守破離の彼方
2023年03月16日(木)~2023年09月18日(月)
桃山時代、茶道の祖・千利休の侘茶の心を汲み、樂家の祖・長次郎が一碗の茶の湯茶碗を生み出したのが、樂焼の始まりです。以来、長次郎を初代とする樂家は450年にわたりその伝統を現在に伝えてきました。
樂家の十五代樂吉左衞門は、2019年に代を譲り樂直入に改名しました。伝統の規範性に根ざした精神とその規範を打ち破り激しい創造性を開示しつつ変貌する直入作品の世界は、まさに「守破離」の精神そのものです。
水面下の非日常に身を委ね、現在もなお、認識すなわち言語を超えようと挑戦しつづけている直入作品の魅力を感じていただければ幸いです。
*守破離 ― 千利休の教えをまとめた『利休道歌』にある「規矩作法守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」から来た言葉。「守」とは、伝統を守り継承する精神。「破」とは、伝統様式を打破し発展させる段階。「離」とは、そこから新しいものを創造すること。しかしながら、大事なことは「本を忘るな」=「基本を忘れてはならない」。