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展覧会

平山郁夫 平和への祈りを託して

2025年07月16日(水)~2025年09月28日(日)

平山郁夫は画家として数多くの作品を描く中、日本人初のユネスコ親善大使を務め、文化財保護活動にも取り組むなど様々な功績を残し、国内外から高い評価を得ました。

『文化財赤十字構想』を提唱した平山は、精力的に活動を展開し、世界共通の宝である貴重な遺跡や文化財を国や立場を超えて協力して守るという理念は多くの賛同を得ました。文化の面から平和を実現しようと始めた活動は遺跡の修復・保存に留まらず、文化財保有国が自助努力で保護活動を継続できるようにするための人材育成、盗掘などで国外へ流出した文化財の返還運動にも幅を拡げていきます。

こうした国際的な取り組みにまで発展した平山の文化財保護には、失った物は二度と元へは戻らないという戦争体験からくる実感と平和への想いがあったといいます。

本展では、『文化財赤十字構想』のもと文化財保護活動の一環として描いた、中国の南京城壁やカンボジアのアンコール遺跡群を題材とした作品を中心に展観します。
生涯のテーマとして「平和への祈り」を掲げ描いてきた画家が望んだ平和への想いを感じ取っていただけたら幸いです。