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展覧会

生誕110年 田中一村展
終了

2018年07月14日(土)~2018年09月17日(月)

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佐川美術館開館20周年記念の第二弾特別企画展として、「生誕110年 田中一村展」を開催いたします。本年は田中一村(1908-1977)の生誕110年にもあたり、関西では10年ぶりとなる大規模な「田中一村展」を観覧できるまたとない機会になります。

田中一村は栃木に生まれ、幼少期より南画を描き、1926年に東京美術学校へ入学します。学校は2ヶ月で退学し、それ以降は特定の師にはつかず、独学で画家人生を歩み、千葉で20年間ひたすら写生に没頭します。そして、新しい創作への道を模索する中で、奄美大島へ渡り亜熱帯の植物や鳥などを題材にした日本画を描き、独自の画業を追い求めていきますが、生前それらの作品を発表する機会もなく無名のままこの世を去ります。

本展では、生誕110年を迎える孤高の画家・田中一村の幼少期から青年期にかけての南画(中国の南宗画に由来する絵画)、南画との決別から新しい日本画への模索、そして琳派を彷彿とさせる奄美の情景を描いた作品まで、各時代の代表作を含む150点以上の作品により、「本道と信ずる絵」を求めた彼の創作の軌跡と一村芸術の真髄に迫ります。

 

本展では、田中一村記念美術館所蔵作品をはじめ、普段見ることができない個人蔵の作品を多数ご紹介します。是非この機会に田中一村作品をご覧ください。

 

 


展示構成

 

第一章 青少年時代、若き南画家(1915~1930年:7歳~22歳)

神童と呼ばれた幼少期から青年期にかけて、南画の世界で名を馳せた米邨(一村改名前の雅号)。本章では「海上派」と呼ばれる中国・上海書画壇の趙之謙や呉昌碩の影響を受け、力強い筆致と伸びやかな墨線で描かれた一村の南画作品を中心に展観。全長5mに及ぶ《墨梅長巻》をはじめ、晩年の奄美作品を彷彿とさせる《蓮図》など、若くして才能を開花させた一村芸術の揺籃期を紹介します。

 左から《桃果図》、《富貴昌図》、《菊水図》 1928年 大島紬美術館蔵

 

 

第二章 千葉時代、新しい画風の模索(1931~1946年:23歳~38歳)

23歳の時に南画と決別し、「本道と信ずる絵」と考える新しい絵画への挑戦を目指した一村。支援者から賛同を得られないまま寡作の時代が続き、30歳で母方の親戚を頼って千葉に移住します。千葉では20年間ひたすら農村の風景、自然の景色、動植物の写生に没頭し、日々のスケッチから新しい画風への模索がなされ、後に奄美で描く花鳥画の基礎を身に付けます。本章では、叙情豊かに描き出した千葉の情景を中心に紹介します。

 左から 《桐葉に尾長》 制作年不詳 田中一村記念美術館蔵 / 《秋色》 1938年 田中一村記念美術館蔵

 

 

第三章 一村誕生(1947~1957年:39歳~49歳)

1947年に《白い花》で画壇へのデビューを果たすとともに米邨から一村へと改名。この頃から日展や院展など画壇への挑戦を試みるも、ことごとく落選の憂き目にあった一村は、画壇と決別し、独自の画道を邁進します。本章では、南画で獲得した自由な筆さばき、千葉時代の写生で培った自然観察をもとに描かれた大作《秋晴》、奄美作品の原型を見ることができる《忍冬に尾長》などを展観します。

左から 《秋晴》 1948年8月 田中一村記念美術館蔵 / 《忍冬に尾長》 1956年頃 個人蔵(田中一村記念美術館寄託)

 

 

第四章 奄美時代、旅立ちと新たなる始まり(1958~1977年:50歳~69歳)

50歳にして住み慣れた千葉を引き払い、新天地・奄美大島へ渡った一村。紬工場で染色工として生計を立てながら、69歳で亡くなるまでの19年間、奄美の大自然の情景や色鮮やかな花鳥画を描きます。本章では、晩年の代表作《アダンの海辺》(期間限定公開:7月14日~8月19日)をはじめ、一村独自の構図・色彩感覚をもとに描かれた日本画の新境地とも言える奄美作品を紹介します。また、奄美行きの資金準備のために描いた襖絵の大作など、一村芸術の集大成をご覧いただきます。

左から 《初夏の海に赤翡翠》 1962年頃 田中一村記念美術館蔵 / 《枇榔樹の森に崑崙花》 1960年代 田中一村記念美術館蔵

 

  掲載作品全て ©2018 Hiroshi Niiyama

 

 

展示作品一覧はこちら

※会期中一部作品の展示替を行います。田中一村代表作の《アダンの海辺》は、7月14日から8月19日までの展示です。

 

 


 

関連イベント情報

・記念対談、記念講演会

・ワークショップ

 


 

 田中一村情報

■田中一村記念美術館(鹿児島県奄美市)

 生誕110年 奄美への路Ⅰ 田中一村
 2018年3月23日(金)~6月19日(火)

 生誕110年 奄美への路Ⅱ 田中一村

 2018年6月21日(木)~9月26日(水)

 

■岡田美術館(神奈川県箱根町)

初公開 田中一村の絵画 ―奄美を愛した孤高の画家―

 2018年4月6日(金)~9月24日(月・祝)

 

■一村のアトリエ

 

 


 

■相互割引のお知らせ

岡田美術館と佐川美術館のチケット半券をご提示で、入館料が割引になります。

期間:7月14日(土)~9月17日(月・祝)

※期間外のものはご利用になれませんのでご注意ください。


 ・岡田美術館半券⇒佐川美術館 入館料100円引き
  (一般1,000円⇒900円/高大生600円⇒500円)
 ・佐川美術館半券⇒岡田美術館 入館料250円引き
  (一般・大学生2,800円⇒2,550円/小中高生1,800円⇒1,550)

 

 


 

[主催]公益財団法人佐川美術館  [監修]大矢鞆音(美術評論家、安野光雅美術館館長) [後援]滋賀県、滋賀県教育委員会、守山市、守山市教育委員会、NHK大津放送局、NHK出版、関西奄美会、中部奄美会 [特別協力]田中一村記念美術館、栃木県立美術館、奈良県立万葉文化館、千葉市美術館、とちぎ蔵の街美術館 [協力]大島紬美術館株式会社、株式会社ジャパンヘルスサミット、スタジオ康作アイズ、町田酒造株式会社、バニラ・エア株式会社、SGホールディングス株式会社、佐川急便株式会社、佐川印刷株式会社