樂直入展 創造の美
2024年10月05日(土)~2025年02月24日(月)
桃山時代に初代長次郎から始まった樂焼は、約450年にわたりその伝統を継承してきました。樂直入は十五代目の吉左衞門で、2019年に代を譲り直入と名を改めてからも、長次郎が発表した「今焼茶碗」と呼ばれた前衛的な茶碗と向き合い、自らの創造性を追求し革新的な作品を発表し続けています。
直入は1200度ほどの高温に達する黒樂の窯で、黒樂より高い温度で焼き上げる焼成法「焼貫」の技法を工夫して茶碗の作陶に用います。大胆な箆削りが特徴的な焼貫茶碗など、直入ならではの前衛的な作風を築きあげています。
一括りに焼貫茶碗といってもその外見や質感は様々で、使用している土や釉薬も違えば、土肌や箆削りの度合いなども違います。また2014年頃までの作品には多彩な釉薬を使用していましたが、近年その色合いは抑えられてモノトーン調の表現に変化しています。本展では焼貫技法を駆使して造られた茶碗に焦点を当て、2000年以降から現在に至るまでに制作された焼貫茶碗を展観します。多種多様な表情を見せる直入作品の変遷と、造形の幅広さをご覧ください。